
そもそも大学生が合格して意味はあるのでしょうか。あまり意味がないのであれば試験のための勉強をしたくないのですが...。
・大学生の基本情報技術者試験の受験者数と合格率
・大学生が基本情報技術者試験に合格してメリットはあるのか
基本情報技術者試験はITエンジニアが最初にうける国家試験としてはわりと有名です。
本記事では、大学生がどの程度基本情報技術者試験を受けているか、そして、その合格率はどのくらいなのかを説明します。
そのうえで、大学生が基本情報技術者試験に合格できたときのメリットをお答えします。
最初に言っておくと、
大学生で基本情報技術者試験に合格した場合のメリットは十分にあります
メリットを知った上で資格取得のための勉強をしたほうがモチベーションも維持しやすいですよね。
記事を書いた本人が基本情報技術者試験の資格を持っていないのに、記事を書いていたら信頼性はないですよね。
僕は会社に入社してしばらく経った頃に、基本情報技術者試験を受けて合格しています。
※ついでに、応用情報技術者試験も続けて受けて同年度に合格しています。

合格するとこんな感じの少しかっこいい合格証書が届きます!
大学生で持ってたらプチ自慢できるかも??

Contents
大学生の基本情報技術者試験の受験者数と合格率

大学生がどれくらい基本情報技術者試験を受けてるいるのか実際の数値が気になりますよね?
下記の表は最新の令和元年の受験者数(春・秋)のデータです。
赤文字部分が大学生の受験者数です。
出典:年齢別 一覧表
少しわかりにくいので整理した表が以下です。
・ピンク色部分が大学生の受験者層
・青色部分が若手社員の受験者層
といった分類です。
申し込み者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
18歳 | 3904 | 3544 | 894 | 25.2 |
19歳 | 12113 | 10642 | 2186 | 20.5 |
20歳 | 11059 | 8932 | 2004 | 22.4 |
21歳 | 9533 | 7002 | 1805 | 25.8 |
22歳 | 15708 | 12448 | 3496 | 28.1 |
23歳 | 19810 | 15128 | 4422 | 29.2 |
24歳 | 16745 | 12041 | 3774 | 31.3 |
25歳 | 13072 | 8985 | 2916 | 32.5 |
全年齢 | 169170 | 121556 | 31224 | 25.7 |
大学生での申し込み者数(ピンク色のセル)は、52317人(18~22歳)で、全年齢からの割合でみると約31.1%です。
大学生で受けてる人は実はかなり多いです。
若手社員の申込者数(青色のセル)は、50257(23歳~25歳)で、全年齢からの割合でみると約29.7%です。
18歳~25歳の若い世代で考えると、基本情報技術者試験の申込者数の約60%を占めることになります。
それだけ若い人が受けているということが分かると思います。
つぎに合格率に着目してみましょう。大学生の合格率ですが、約24.4%です。
個人的には意外なのですが全年齢の合格率の25.7%より低いんですよね。
これは
- 学生のため単純に知識量が足りない
- 遊び半分で受けている
ということが原因として考えられます。
逆に、若手社員の年齢での合格率は、約31%と高い値となっています。これは全年齢でみても合格率が一番高い層です。
これは、
- 業務を通して知識が自然とついた
- 会社から受験を推奨されていたため真剣に受けた
ことが要因だと考えられます。
IT企業に就職すると、とくに若手の間は「基本情報技術者試験を受けておけ」と会社から推奨されることが多いです。
僕自身もIT企業に勤めていますが、新人の頃は周りの同期もよく受けていました。
ただここで、

と心配する必要はありません。
まず大学生のほうが社会人より勉強時間をとれる時間は多いです。
基本情報技術者試験はある程度の難易度はあるものの、正しく勉強すれば8割がた合格はできます。
また大学生の合格率が低いのであれば、それだけ合格者の希少性は増すため、逆にいいことだと考えられますよね。
もうひとつの観点として、表から分かる通り申込者数と受験者数には結構差があります。
大学生の申込者数は、52317人でしたが、受験者数は、42568人です。
受験者数は、申込者数の81.3%の数値となっています。
なぜこのような差が出るかというと、申込を行ったけど受験しなかった人がいるからですね。
わりと大事なことなので覚えておいて欲しいのですが、合格率は受験者数に対する合格率です。
試験によっては、試験の権威性を保つために申込者数に対しての合格率を出す試験もあります。基本情報技術者試験は国家試験のため、そのような数値の水増しは行っていません。
試験会場に行く人はある程度合格する自信がある人が行っているはずなので(合格する自信がない人はそもそも試験会場に行かない)、実際の体感的な合格率はよく言われている20%程になると思われます。
※申込者数で合格率を出した場合は、19.8%となります。

といった場合、確率的には受かるのは5人うち1人だけです。そして、そのうち1人は勉強不足なりやる気が出ないとかの理由で試験会場までいきません
けっこう厳しく感じますよね。ただその分合格できた時は嬉しいはずですよ!

大学生が基本情報技術者試験に合格してメリットはあるのか

大学生が基本情報技術者試験に合格できた場合のメリットは大いにあります!
ただその前にデメリットを2点紹介します。
それは、受験費用が掛かることと試験勉強の時間がかかることです。
受験費用は約5000円のためどうでもいいのですが、試験勉強の時間がかかることは難点だと僕は思っています。
なぜなら、この試験のために勉強時間を使うなら実際に役立つスキルに投入するほうが良いからです。
資格試験のための勉強時間はなるべく少なくしましょう。
効率的に勉強して基本情報技術者試験に合格するための方法は、以下の記事で紹介しています。
かなり効果のある勉強方法かつ合格率も高まるので、具体的な勉強法や対策があまり分からない大学生の方はぜひ読んでみてください。
>> 基本情報技術者試験の対策は過去問+αだけで良いという話【徹底解説】
少しネガティブなことを書きました。ただ、実際のところ大学生だとこのデメリットは無いに等しく(大学生は時間たくさんありまよね)、それを上回る大きなメリットがあります。
メリットは大きく分けて3つです。
- メリット① : 就活に有利に働く
- メリット② : 入社後に手当を受けられる可能性がある
- メリット③ : 入社してから試験をうけるための勉強をしなくてよい
メリット① : 就活に有利に働く
大学生の方が1番気にする部分は、
「就活時に有利に働くか?」
ですよね。
頑張って勉強して合格できたのにあまり意味がなかったとなると悲しいですよね。
もちろん基本的なIT知識がつくというメリットはありますが、あくまで資格試験なのでそこは本質ではないと思います。
就活に有利かどうかを判断するために基本情報技術者試験のことを調べてみると資格試験の学校のサイトがよくヒットします。
資格試験の学校のサイトはビジネスとして自身のスクールに通わせることを目的としているので、それらは就活に有利かどうかの根拠としてはイマイチですよね。
以下のページは、就活・転職のポータルサイトとして有名なマイナビの記事の抜粋です。就活や転職を専門としている企業が書いた記事のなので一定の信頼性はあると思います。2020年以降を焦点にあてて書かれた記事なので新しい情報です。
基本情報技術者について書かれた一部を抜粋して紹介します。
2020年以降に要注目の資格をあげてもらったので、本稿で紹介していこう。
出典 : 2020年以降にニーズが高まる資格を専門家が予想(マイナビニュース)
■基本情報技術者試験
近年、IT系の資格へのニーズが高まっているのは周知のとおりだが、中でも特にプログラミング言語「Python」(パイソン)に非常に大きな注目が集まっているという。基本情報技術者試験においても、2020年4月から選択言語のひとつであるCOBOL(コボル)が廃止され、代わりにPythonが採用される。
就活をまだ始めていない大学生の方にはあまりピンっとこないかもしれませんが、就活時にはエントリーシートというものがあります。
エントリーシート(Entry Sheet)とは、イベント等への参加を希望する者が、参加希望の意思や必要事項等を記載し、その主催者に対して提出する書類・応募用紙のことである。要するに「申込書」のこと。ESと略されることも多い。
出典 : 「"エントリーシート"」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』
簡単に言うと、履歴書にその企業独自の項目が加わったものです。
そのエントリシートの中にはだいたいは保有資格を書く欄があるので、そこに
令和YY年MM月DD日 基本情報技術者試験 合格
というように書くことできます。
就活には面接がつきものですが、面接時に

ボランティア活動に参加していました!
と自己PRしても、あまり評価されません。
就活は基本実績ベースです。IT企業ならなおさらその傾向が強いです。
しかしだからといって、

と自己PRをするのはやめましょう(資格取得をしたことを自己PRする人ってなんか嫌ですよね)。
あくまでエントリシートに書くだけで、面接時に聞かれたら答えるというスタイルが無難です。
※こちらから言わなくても書いていれば十中八九聞かれると思います。
また参考にした記事にもある通り、基本情報技術者の中で選べる言語の中では、"python"が今の流行りです。
言語のこだわりがないのであれば、"python"を選択して合格しておくことをおすすめします。
メリット② : 入社後に手当を受けられる可能性がある
企業により様々ですが、申請すれば一時奨励金を受け取れるIT企業は多いです。
むかしだと、なんと
毎月の給与に資格手当として5000円加算される
という太っ腹な企業も結構あったようです。ただ、おそらく今はそのような企業はごく稀です。
一時奨励金として5万円を1回貰えるというのが今のスタンダードだと思います。
5万円でもわりと大きい額なので貰えるのは嬉しいですよね。
入社してから試験をうけるための勉強をしなくてよい
これは地味に大きいメリットです。
IT企業に入ると大きい会社ほど基本情報技術者試験を受けて合格することを推奨される傾向があります。逆にベンチャー系のIT企業やメーカー系ならとくに何も言われないと思います。
実際に僕は大きめの企業勤めですが、令和の今でも会社は基本情報技術者試験を新人に受けさせることを推奨しています。
個人的には「資格取得よりも、実践に役立つスキルをつけたほうが良いんじゃないの?」とも思いますが、大企業の場合はお硬い場合が多いです。
大企業ほど学歴重視みたいな感じですね。
そこで問題になるのは
- 勉強のための時間がとりづらい
- 不合格だったときに気まずい
といったことがあります。
大学生時代であれば、卒業論文を書く時期や就活時期以外は基本時間はあまっていますよね。
社会人になると若手のころは仕事でいっぱいいっぱいになって忙しくなりがちです。
そして、平日に仕事で疲れる分、土日は趣味や休憩の時間にどうしてもあてたくなります。

という感じですね。
大学生の場合は別に試験に落ちたとしても気にするのは自分くらいだと思います。ただ社会人になると、もちろん会社によるのですが不合格がつづくと上司や会社に対して気まずい思いする可能性があります。
個人的な感想ですが、基本情報技術者試験の勉強しているのにも関わらず何回も落ちる人はエンジニアとしてはセンス×です。
ある程度大きいIT企業に入る予定の方は入社後のことも考えて、資格取得しておくことをおすすめします。
まとめ
本記事では、大学生が基本情報技術者試験の合格したときに得られるメリットを説明しました。
基本情報技術者試験は年齢が若ければ若いほど取得するメリットが大き試験です。大学生の間にとっておくほうがメリットは大きいので、IT企業につとめたいのであれば、取得しておいて損はないと思います。